キャブレターのセッティング〜燃料が濃い時、薄い時のエンジン特性〜
エンジンをうまく動作させるためにはキャブレターのセッティングが重要です。シリンダー内に入る燃料が濃いか薄いか、すなわち燃料と空気の比率が重要な要素となります。これを混合比と呼び、混合比を調整する装置の一つがキャブレターです。キャブレターのセッティングを行うことで混合比を調整することはエンジンの寿命を延ばすほか、エンジンをうまく動作させるためにも重要です。
キャブレターのセッティングはうまく動作するかどうかだけではなくエンジンの特性も大きく変えます。以下で燃料が濃い場合と薄い場合にエンジンの特性がどのようになるのかを示します。
燃料が濃い場合、爆発によるエネルギーが大きくなるため低回転域から力強いトルクを得ることができます。しかし燃料が濃すぎるとシリンダー内に入った燃料の一部が燃え残り、バックファイアが発生し排気抵抗でエンジンに加わる負担が増加したり、燃費が悪化する原因となります。
燃料が薄い場合、エンジンの吹け上がりが良くなり燃費も向上します。しかし薄すぎる場合、燃料の爆発によるエネルギーが少なくなる為エンジンのパワーが低下したり、ピストンが焼き付く可能性が高まります。
キャブレターのセッティングを行うには燃料の濃度でエンジンがどう変化するかを理解することが必要です。また、エンジンの状態を的確に感じ取り、キャブレターのセッティングにフィードバックすることが重要です。
以上のことから、キャブレターのセッティングは重要な上、非常に難しいため後回しにしがちですが、キャブレターのセッティングをマスターすることでエンジンの旨味をより深く味わうこともできます。そういう意味でも、キャブレターのセッティングは非常に奥が深いのです。